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もし、自分が信じられないような災害に遭遇したら、そのときどんな行動をとるだろうか、と考えることがあります。


3.11のときでさえ普段感じたこともない胃の痛みを2日ほど引きずったりしたのに、これが震度6や7に遭遇したら?


ひとは、災害時にどんな心理状態で避難行動をとるのか?


災害時の避難行動に働く心理現象のことを、いくつかの心理用語に表しているものがあります。

〝正常性バイアス”とは?

「正常化の偏見」とも言います。
心理学用語の1つです。


これは、非常事態が起きているにもかかわらず、自分だけは大丈夫と考えたり、起こっている事態を過小評価してしまったりすることです。
「自分の身にそんなことが起こるわけがない」と現状を否定する心理のことですね。


3.11のとき、津波警報を聞いても、ここまでは津波はやってこない、と逃げ遅れた方が多かったのではないでしょうか。


無意識のうちに強いストレスを回避しようとする心理が働くのですね。
「見てみぬふり」をして、現実の危険をできるだけ考えないようにしようとする心理が働いてしまうことです。

“同調性バイアス”とは?

“同調性バイアス”とは、周囲の人たちの価値観や感覚に自分の行動や思考を同調させてしまうこと。


こういう人は、普通の社会では「空気の読める人」として社会的能力の高い人と認められます。


でも、これが災害時だとしたら、津波警報が出ても周りの人が動かなければ、周りの人が避難しないのだから大丈夫なのだ、と思い込もうとするのです。これはとても危険なことですよね。


自分としては危険かもしれないと感じながら、周りの人にそう思われないように行動してしまう。人に合わせすぎてしまう心理。これは「付和雷同」的な行動となって現れます。

“同化性バイアス”とは?

“同化性バイアス”とは、危機を背景の中に埋没させてしまい日常の平穏な事態に同化させてしまうこと。


気がかりなことがあって、その事ばかり考え続けていると強いストレスで耐え切れなくなります。そういう時、別の用事をしたり、体を動かすことでストレスがゆるみます。


でも「危機」に変化はないので、結局自分でベールをかけてしまって、特別な異常をわざと目立たなくさせてしまうことに。


これが災害時に働いてしまうと、人の命にかかわります。


人は無意識に心理的負担から逃れようとする傾向があるので、「災害」という事実を突き付けられたとき、それを受け入れることを避ける意識が働くのでしょう。

凍りつき症候群とは?

災害など非常時に遭遇したとき、あなたは自分が冷静に行動することができると思いますか?


それとも、パニックになると思いますか?


直ちに行動に移せる人が全体の10%。
パニック状態になる人も10%


一番多い反応が「茫然自失」で80%と言われています。
つまり、「凍りつき症候群」と言われる状態です。



3.11の津波のとき、後ろに津波が迫っているのにゆっくり歩いている人の映像を見たことがありませんか?実際津波に飲み込まれてしまった人と、幸運にも助かった人がいます。


その助かった人に、何故走って逃げなかったのか聞いたところ、体が思うように動かなかったとのこと。


これは思考が停止して体を動かすことができなかったのではなく、「すくみ反応」と言われる「受動的ストレス反応(行動抑制反応)」で、心身ともに外部に対して反応しなくなる状態のことです。


頭がまっ白になって、心身ともに凍りついたような状態になること。思考停止状態ではなく、活動停止状態と言った方が近いですね。


防災心理学では、これを「凍りつき症候群」と言います。

まとめ

ライフラインが途絶える。
食料の備蓄がない。
水も足りない。
トイレができない。


もし災害に遭遇したら、自分はどうするだろう。
どうやって避難して、そのあとはどうやって暮らしていくんだろう。


いろいろ想像すると不安がどんどん増幅していきます。


そして、一番問題になることは何だろうと考えたとき、それは「心理状態」かな、と思いました。


災害時、非常事態になったときに、すぐに頭も体もも動いて行動に移せる人は全体の10%と言われていますが、今の段階ではとても自分がその10%に入れる自信がありません。


先ほどお話した「凍りつき症候群」も、凍りついている時間が問題だとのこと。それは人によってかなり違うからです。


ならどうするか?
体験と知識を足掛かりにしてシュミレーションを何度もしてみることが有効かなと思います。


今回の「バイヤス」にしても、ひとはこういう時にこういう心理状態になる、と知識として知っておくだけでも客観的な見方ができるようになります。


それを、普段の生活の中で何度も想像してシュミレーションしてみる。
例えば、大きなビルの前を通りがかったとき、今巨大地震が起こってガラス窓が割れそうになったら?と想像してみるのです。自分はどうやってその場から避難するか?どう行動するか?どっちの方向へ逃げるか?


地下鉄に乗っていて、突然大きな揺れを感じたら?停電になったら?


想像するだけでストレスがかかるかもしれませんが、時どきはその場でリアルに考えてみることも必要なのではないでしょうか。